海蛇座に住む青年が、地球という惑星からある便りを受け取り、孤独な宇宙の旅をする。これが『ALFRD』の軸となる設定である。
離陸の一曲目となるTONIGHTに始まり、深遠な宇宙を漕ぎ出すKAI、光を捉え引力によってスイングバイするように加速すRIDE/HYDRA (prod.KRICK)、淡い記憶と忘却の狭間で微睡むようなOBLIVION(prod. Makoto Nagata)と続く。そしてアルバムはここまでの流れが第一部として構成されている。続きの物語は是非アルバムをお聴きいただければ、、
このように本作は量子論や光の性質を暗喩するセンテンスが綴られた一編のスペース・オデッセイとしても構成されている。
一方で、サウンドはJ-POPを主軸にしながらも、ハウス色の強いダンスチューンに始まり、IDMを匂わせる砂嵐のようなTrap、寝室で一人歌うように紡がれるLo-Fiヒップホップまでジャンルを広く横断する。ゲストプロデューサーにOpus Innの永田誠、BLACK BASSのKRICK、IPPEIを、客演にはmakranからShnayhon Yosoを迎えアルバムは完成する。
こうして海蛇座の星座位置を表すアートワークとともに、静かで広大な深宇宙への航海が始まったのであった。